オムライスと言う宇宙〜

日々徒然

物事にはそれぞれが無限の奥行きを持っているが、オムライスもまたなかなか色々なことを教えてくれている。

そもそも僕の調理スキルなんて、とてつもなく偏っていてまだまだ知るべきことは沢山あるのだが、この1年ぐらいオムライスを作り続けてきて色々なことを教わった。

まず知ったのはテフロンのフライパンのコンディションが結果にもたらす影響だろうかw

僕は20代に外食産業に従事していたが、そのころはテフロンのフライパンを見た事がなかった。当時世の中にテフロンフライパンがあったかどうかは知らないけど。

その随分久しぶりに台所で、フランパンを振り始めて、うまくいかない…「あれれ〜?」って。俺こんな下手だったっけ?と落ち込みつつ何度もトライするがまともなものにならない。

まあ、それもそのはず。そもそもなんとなく覚えてる鉄のフライパンの頃のやり方で、もうくたびれたテフロンのフライパンなわけだ。

ただ空気的にこのフライパンのテフロンはもうダメなのではと思いはじめ、鉄フライパンを購入する。

しかし実は一から鉄フライパンを準備した事がない所に持ってきて、有識者からの「時間の無い人はテフロンフライパンを使うべき」と言うアドバイスが入り、購入した鉄フライパンは一旦保留として、改めてテフロンフライパンを購入する作戦に移行する。

何かと事前に調べる小生にしては珍しく何も考えずにホームセンター。フライパン売り場をウロウロするがどれを選んで良いか判らない。値段も880円から5千円近いものまで幅があり、その値段の違いと生産国の違いが一致しない。性能面では「耐久性がある」の一辺倒でその5倍に及ぶ値段差の意味が判らない…

まいったなぁ〜

困り果てた僕はその無秩序とも言えるフライパン売り場棚を見ているのが疲れてしまい、違うブロックに目をやる。と、そこにはユウコリンと言う宇宙人が遠隔広告デバイスを介して、「わたしはエバークック」と言いながら僕に微笑みかけている。

(↑ネットで拾った画像)

エバークックって何じゃ?と思いながらユウコリンに近づくとそこには別扱いのテフロン軍団が…

そこに謳われている内容は、耐久性に対する自信もアピールされてはいるが、それよりも「強火で使ったらあかん!」と言う制限事項を強烈に伝えている。

「ほほう、こいつを信じるか」

僕の迷走は、突然の収束を迎え、エバークックの22cmフライパンを購入家路につく。

帰宅してようやくテフロンフライパンがなんたるかを調べ始める。きっかけは「強火はダメ」のキーワードである。その流れで、中火〜弱火の意味の深さや180℃の重要性を“知識として”ゲット。

って言われても180℃って何度やねん!?って思いながら、僕にテフロンを薦めてくれた有識者にテフロンフライパン購入の報告を入れると、「テフロンはコールドスタート」と言う有難い追加アドバイス。

とにかくコールドスタートで、あとは体当たりで180℃を掴んでいくしか無いなと。

その後、肉なら大体解ってるから肉でテフロンを掴もうと数枚の肉を焼いた後、いよいよオムライスに再チャレンジする。

オムライス再チャレンジにあたり、エバークックを追加購入。

いよいよ突入である。

まあこの一年ぐらいかな?何回オムライスを作ったか判らないけど、自分の食べたい味のレシピが判らないので、まずは適当に有名な人の動画を真似して作ってみる。でも自分の食べたい物とは違うわけで、それも調理スキルとレシピの組み合わせの話だから、あまりにもパラメーターが多すぎてどう近づいて良いのか判らない。でも思ったのは回数をこなす事で調理スキルを安定させていきつつ並行して「調理感覚」が整っていくと言う事だろうか。塩コショウ適量…それどんだけやねん!なんて事も、何となく適当に解っていく。そう言う意味でオムライスという実務は非常に総合スキルが上がると感じたわけだ。

具材を炒める感覚、ご飯を炒める感覚、塩コショウ感、水分飛ばし感、焦がし感、卵の火加減、皿に移す時の勝手に丸まってくれる感

まあ、それなりに「また自分オムライスが食べたい」と思える仕上がりに安定していく。

でも、でもだよ。何か違うんだ。違うんだよ。

ある打ち合わせの流れで久しぶりに寄ったあの店。「まつもと食堂 野々市本町」

滅多に来ないので、ここぞとばかりに食べたい物を全部。

焼豚(車じゃなければビールとセットをおすすめ)

カレーうどん(問答無用)

ご飯小(カレーオジヤ用。これも問答無用)

ちゅうあん(多分、中華あんかけの略だと思う←覚えていない…)

そしてオムライスだよオムライス!

やっぱりこの「昭和感」これが出せないとダメなんだよ!

と、言うわけで、先日仕込んだ鉄フライパンでオムライス!

鉄メイラード〜

何がどうじゃない。もちろん火の通り方は根本的に違うんだろう。でもテフロンで1年オムラスって来て、何となくの感覚の中で、ある意味同じように作っただけ。

でも圧倒的にこの昭和感、美味です。

まだまだこれからもオムライスには、色々教えていただこう。

あ、一つ付け加えると、松本食堂さんが、オムライスを鉄フライパンで作っているかどうかは確認していません。そう感じただけ。

清水 聖一 / Shimizu Seiichi

ベーシスト / PAエンジニア / レコーディング・ミキシングエンジニア / 第七ギョーザソムリエ / ソースカツソムリエ / 豚バラマスター
 
金沢が誇る「何屋さんなのかよくわからないひと」として、日々「秘密」な任務に携わっているが、実際何をしているのかわからない。
 
趣味はベースを購入すること、特技はベースを並べて鑑賞すること。

清水 聖一 / Shimizu Seiichiをフォローする
スポンサーリンク
THE 清水 聖一